2016/05/28

インドの夏の間は失恋中、充電中?





日本にいた頃に知り合ったインド人の女の子は、冬の季節が大好きで、特に日本で雪が見られると嬉しいと言っていた。

冬は寒いし、雪なんか降ると歩きづらくて面倒臭いではないか、春とか秋のほうが過ごしやすいではないか、とその時は彼女の意見に反論したけれど、今なら彼女が言っていた意味がわかる。

日本の冬は、インドの夏よりも1000倍もマシ。
そして、インド在住日本人が大気汚染が酷いから嫌いだというインドの冬でさえも、インドの夏よりは10倍ほどマシ。

今年は、まだ5月なのに、すでに最高気温51度を記録するほどの猛暑となっている。

個人的には、暑いだけであれば、耐えられる。
暑くても、カラッとした晴天で、青空が見れればいい。

でも、なぜか私の住んでいるデリー付近では、晴れているはずなのに、青空が全く見えない。紫外線を大量に浴びていることは認識できるのに、空の色は灰色っぽく、雨が降りそうで降らない天気が続いている。

インドでの夏をすでに2度経験している私の記憶では、5月・6月はまだ雨も降らない時期だったはずなのに、今年は猛暑が早く来たせいか、オフィスからの帰宅時を狙ったように、夕方〜夜の間にゲリラ豪雨が訪れることも多い。雨が降ると、本当は車20分で帰れるところが、1時間近くかかる。

つい最近は、雹も降った。

ひょう??

雹は英語で、”hail”ということを学んだ。

外はものすごく暑いくせに、オフィスは冷房が強すぎて、寒すぎる。私だけユニクロのライトダウンジャケットを着て目立ってしまう。

まったくもって。
うんざり。

と言っても、これでも私は結構前から夏の憂鬱さには身構えていて、覚悟していた。
すでに外の気温が暖かくなってきた2月半ば時点で、私が「あぁ、もうすぐ夏が来てしまう・・・嫌だ」と嘆いているのを見て、私の恋人は笑っていたけれども、全然笑い事ではない。

だって、インドの夏が来ると、恋は逃げてしまうんだもの。

何でそう思うかって?
その前の年がそうだったから。

10月半ば〜12月には、ようやく猛暑も収まって、涼しくなってくる。とともに、インドの祝日もこの時期は多い。インドの正月休暇、ディワリというものがあるため、長期休暇を使って旅行に行く人も多い。インド在住日本人コミュニティーの間でもクリスマスや忘年会などのイベントごとも多い。というわけで、新たな出会いも増える。

デリーであれば寒くなる1月〜2月は、 ちょうど新たな出会いの中で気に入った人とデートをしたり、親交を深めたりするにはちょうど良い時期ではある。 たとえ、大気汚染が著しく悪化して、日本人たちはほぼ皆外出時にマスクをしている季節ではあっても。

でも、3月になると状況が変わってくる。 日本人コミュニティーの中での人の入れ替わりが激しい時期。インドの涼しい季節の間にせっかく仲良くなった人でも、すぐに「さようなら」となることもある。入れ替わりのせいではなくても、暑さのせいで、うまくいかずに「さようなら」もあり得る。

もし「さようなら」となったら。4月以降は、もうサイテー。暑さと、暑さからくる様々なトラブルのせいで、新たな出会いを求める気にもならず、立ち直る気にもならず、何もする気にもならない。惰性で、10月半ばまで孤独。

だから、出会いの季節に出会って付き合い始めた彼とは、夏になったら上手くいかなくなるのではないかと不安になった。

季節の関係で、恋愛関係が影響されることなんてないだろう。
もしそうだったとしても、それはもともとの関係が不安定だったということなのではないか。

と人々は言うだろう。

その可能性は、非常に高い。

ただ、もしそうだとしても、自分たちのせいにするよりは、季節のせいにしたほうが、精神的には負担が若干軽くなるのではないかと思う次第である。

そんなわけで、彼との終わりはそのうち来るだろうと予測して、夏に向けての覚悟をする。そうすれば、もし本当に上手くいかなかったとしても、「ほらね、やっぱりそうだったでしょ」と傷つかなくても済むだろうと思ったから。

それと同時に、彼との関係に賭けてみたいとも思う。だって、彼は他の人たちとは違うかもしれないから。信じてみるのも、悪くはないはずだから。

・・・・・・・・・・

本格的なインドの夏が訪れる前に。
結局、私たちの関係は終わってしまった。

実際そうだったかどうかは関係なしに、シチュエーションとしては、こんなのはどうだろう。

私たちは2人の関係について私の部屋で話し合い、お互い別れることに納得する。彼が私の部屋を立ち去った後も、しばらく私はソファーに座りついたまま、動かない。あらゆることを考えているけれども、何も考えず、ただぼーっとしているだけな気もする。

そう、なぜか今はやけに大きく聞こえるエアコンのファンのジー、ジー、ジーという音に耳を傾けさえすれば、何も考える必要もない。

気づけば、私はベッドの上に横たわっている。
ダブルベッドの上に。
一人で。

こんな時、自分がスモーカーだったら、ちょっとは絵になるのになんて思う。ベッドの上に膝立ちしながら仰向けになり、天井を虚ろな目で見ながら、タバコをスーッと吸うの。ふと、嫌なことを思い出したように、苦い顔をして、チッと舌打ちをしてみたり。

でも、私にはできない。タバコは吸わない。

家にお酒を置いていないから、悪酔いさえもできない。

とりあえずシラフのまま冷静に頭の中に浮かんだことといえば、「あ。私、しくじった。」

時計を見れば、気づけば夜中の3時。私の部屋はマンションの10階にあるのに、窓の外からは、大通りを走る車やトラックのけたたましいクラクションの音が聞こえる。

去年は違かった。去年の今頃、私が好きだった人が姿を消した日の夜中には、家の外からは、野良ブタたちの悲鳴が聞こえていた。野良牛ではない。野良ブタ。あの時、私は、大通りから外れた住宅区にある一軒家に住んでいたから。

あの人が去ってから、夏が来た。私は自暴自棄になり、周りに迷惑をかけ、自分自身も結果、被害を被った。結局、私が完全に立ち直ったのは、夏が過ぎ去りつつある10月半ばだったっけ。

どうでもいい思い出は忘れようと少し眠りにつくものの、いつも通りに目覚ましのアラームが鳴るのが聞こえ、仕方なく起き、仕方なく支度をし、仕方なく仕事に向かうために車に乗る。前の時と同じように。

オフィスに着くまでの20分間、窓の外の景色を見ながら、車の中で考える。

今年も、私はインドの夏に、うんざりさせられ続けるつもり?

私の答えは−−−


Of course not. I won't let this gloomy summer occupy me.




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