2017/01/25

オスカー最多ノミネート映画『ラ・ラ・ランド』とリコーのCMに見る、”そうなっていたかもしれない人生”





※ネタバレ注意。

2016年にアメリカで公開された、エマ・ストーン、ライアン・ゴズリング主演による、完全オリジナルなミュージカル映画『ラ・ラ・ランド』。(日本では、2017年2月に公開予定。)

たまたま2日前に、「最近のハリウッド映画には、役者のクローズアップシーンが多い」と論する記事の中でこの"クラシカル風"映画が取り上げられていて、気になって検索していたら、どうやら私の住むシンガポールでは、まさにこの瞬間、劇場公開されていることを知り、早速観に行くことに。


『ラ・ラ・ランド』予告編



ストーリーは、"ある意味"王道もの。それぞれの夢を抱えた、女優を目指すミア(演:エマ・ストーン)とジャズピアニストを目指すセブ(演:ライアン・ゴズリング)が出会い、恋に落ち、愛を育み、そしてすれ違っていくストーリー。

え、すれ違う?

・・・それって王道なの?

となるかもしれないですが、

それも"ある意味"王道なんです。(断言。)

ストーリーは後に置いておいて、映画冒頭から感じた直感的な感想は、

「あ、明らかにアカデミー賞狙ってるな」

そして、

「狙ってる感ありすぎだけど、でもそんなのどうでもよくて、この映画素晴らしすぎる!」

でした。





実際、私が映画を観た次の日に第89回アカデミー賞ノミネート発表されたのですが、『ラ・ラ・ランド』は見事に最多ノミネートとなりました。

アカデミー審査員が好きそうな、"古き良き時代の映画へのオマージュ"をこの映画は取り入れています。(私は観ていないのですが、2011年の作品で、2012年度アカデミー賞作品賞を受賞した無声映画『アーティスト』は、現代の映画であるにも拘らず、懐かしきサイレント映画時代を描き、アカデミー審査員から評価を受けました。)

『ラ・ラ・ランド』は現代の映画であるにも拘らず、そして映画の中の時代設定も現代であるのに、音楽やダンスシーン、女優を目指すミアの格好、映像のトーンなど、古き良き時代のクラシカルな映画そのままです。

ただ、「あれ、これって昔の時代を描いているのかな?」と錯覚し始めた頃合いに、iphoneの着信音が鳴ったりと、うまい具合に現実に引き戻してくれるのが、この映画のずるいところです。

さて、私はミュージカルが好きで、かつ、オードリー・ヘップバーンの映画とか、そういうクラシカルでハッピーな映画が好きなので、ミアとセブの恋模様を表すミュージカル調ストーリーを見ていると、とにかくハッピーな気分になりました。

でも、お互いすれ違いが起こり始めてからは、ミュージカルシーンも消え去り、ミアは普通の格好をし出し、夢の世界も終わって、完全に現実に引き戻され、私は号泣。

今考えると何故、映画の途中で号泣し始めたのか自分でも謎ですが、でも多分、それなりに恋愛映画を見てきた私はこの結末がどうなるのか、分かってしまったのかもしれません。

恋愛映画の王道パターンとしては、簡単に分けると

① 2人は一緒になり、幸せに暮らしました。

②2人はすれ違い、別々の人生を歩みました。

で、今回は、後者のパターン。

それじゃあ、悲しい結末なのかというと、そんなことはありません。むしろ、王道モノのハッピーエンディングです。

それは、2人が自分の夢を追い続けて、何かを犠牲にしながらも、その夢を結果叶えたから、というだけではなく、2人は一緒の人生を歩むことができなかったけれども、それでも別々の人生でも幸せに暮らしているから。

(そもそも、2人がちゃんと夢を叶えた、というのが、そもそも映画らしいし、それで良い。)

映画の終盤、女優となったミアは夫とともにたまたま入ったクラブで、セブを見かけます。セブは、ジャズピアニストとして、自分が求めるジャズを再現するクラブを持つ夢を叶えていました。

セブはミアを目にして動揺しながらも、ピアノを弾き始めます。

そこで映画は、2人が初めて出会った時間へと遡り、そこから、あのハッピーなミュージカル調の音楽とともに、パーフェクトなシナリオを観客に見せます。

あの日、あの時、あの場所で、ああなっていたら、二人はこんなパーフェクトな人生を歩んでいた・・・・・・

けど、実際は違う。

(ここで、さらに号泣。。。)

2人は互いに話しかけることはしませんでしたが、微笑み合います。それが、全てを語るのです。これもハッピーエンドなのだと。

人はよく考えてしまいます。「あの時、こうしていたら、どうなっていたんだろう」「私の人生、もしかしたら今頃、こうなっていたかもしれないのに」。

でも、残念ながら、今とは違う人生がどうなっていたかなんて分かりません。もしかしたら、パーフェクトな人生を送れたのかもしれないけれども、それじゃあ、今のパーフェクトではない生活を嘆くべきなのかというとそんなことはありません。

ミアは、セブと一緒にはなれませんでしたが、女優として成功し、また違う人と恋に落ち、結婚し、子供もできました。そしてその生活は、全然悪くなんかありません。むしろ幸せです。

この映画を観て、私は大好きなリコーのCMを思い出しました。それが、これです。


リコーCM



子供の頃、プロ野球選手になりたかった人、ミュージシャンになりたかった人、宇宙飛行士になりたかった人・・・

大人になった時、子供の頃見ていた夢とは違うかもしれないけれども、この仕事(ここでは、多分、リコーでの仕事)で本当の自分になれた。

というリコーのCM。


そうそう、これなんです。

そうなっていたかもしれないけれども、ならなかった人生。それも悪くない。

『ラ・ラ・ ランド』の最大のメッセージはこれなんじゃないかなと私は思います。

そして、今ある人生は、過去の出来事のおかげ。

うん、間違い無しに『ラ・ラ・ランド』はアカデミー賞を取れます!!!


『ラ・ラ・ランド』レンタル視聴するなら:







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